丸山直子「グエン・ティ・ビック・ハー先生の外務大臣表彰受賞」

東京女子大学現代教養学部 人文学科日本文学専攻教授

 1991年4月から1993年3月まで、東京女子大学大学院に在籍なさっていたグエン・ティ・ビック・ハーさんが、この度、外務大臣表彰を受賞なさいました。

 ハーさんは、国際交流基金が海外から日本語教育者を招いて長期研修会を開いたときに、ベトナムから来日なさり、その時講師だった星野和子さん(本学英米文学科卒業・本学大学院文学研究科日本文学専攻修了、のちに駒沢女子大学教授)に東京女子大学の大学院に進学したい旨ご相談になり、当時本学が実施していた在宅受験(海外にいながら受けられる入学試験)を受けて、東京女子大学大学院に入学なさったのでした。

 ハーさんは、本学大学院文学研究科日本文学専攻で修士号を取得後、ハノイ国家大学大学院で博士号を取得、長年、ハノイ貿易大学の教授として活躍なさり、同大日本語学部の学部長も務められました。そして、この度、「ベトナムにおける日本語教育の推進」の業績に対し、外務大臣表彰を受けられました。2020年度12月の受賞ですが、コロナ禍のため、2021年10月7日に表彰伝達式が行われました。東京女子大学としても、大変誇らしく思います。

 ハーさんが本学大学院に在籍中、丸山は既に本学教員でしたが、その後も交流があり、現在、科研費の研究を一緒にしています。柏野和佳子さん(本学卒業生で、現在、国立国語研究所准教授)が研究代表者である、科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金(基盤研究(C))「学術的文書作成のための文体差のある語の計量的分析」平成29-31(2017~2019年度)で、2020年のお正月には、先述の星野さんも含む研究協力者たちと一緒にベトナムを訪問し、ハーさんの仲介で、「日本語教育セミナー 日本語作文で気をつけたい話し言葉的な言葉とは」をハノイ大学で開催しました。(アジアフォーラム「アジアとの交流、アジア関係のイベント」の2019年度の欄に記載してある通りです。)今後も一緒に研究を行う予定です。日本とベトナムの絆をさらに深めていきたいと思っております。