私は大学2年生の約1年間、韓国の誠信女子大学校で留学生として過ごしました。留学先での専攻は外交政治でした。そこでは新しい価値観や韓国人の温かさに触れるなど素敵な時間を過ごせましたが、挫折もありました。今回は3つの章に分けて、私の韓国留学体験談をお話したいと思います
韓国留学を目指した理由
韓国に関心を持つようになったきっかけは、中学生の時に触れた韓国の音楽やドラマでした。はじめは文化が好きでしたが、知れば知るほど「日韓関係」のニュースについても関心・興味を持つようになりました。皆さんもご存知の通り、日韓の文化交流は盛んで、特に日本では「韓流ブーム」と呼ばれるまでに至りますが、政治的関係は良いとは言えない状況が続いています。そこで私は韓国で学び、現地の人との交流を通して「韓国についてもっと知りたい」という思いが大きくなり、韓国留学を目指すようになりました。
挫折とその克服
私は大学2年生で留学するために、入学してすぐ留学準備を始めました。当時の私は韓国語のレベルが不足しており、留学に行くために受けるテストも1回目は語学力が理由で落ちてしまい、少し期間をいただいて2回目のテストで合格し留学に行けることになりました。しかし私自身、まだまだ韓国語のレベルが足りていないと感じていたため、時間を見つけて韓国語の勉強を一生懸命しました。周りからは「無理して2年生で行く必要はない、また機会はある」と心配されることもありましたが、私はずっと留学をしたかったため、チャンスがあるならそれを掴みたいという気持ちで、とにかく一生懸命でした。その成果もあり私は韓国語に少し手応えを感じ、楽しい韓国留学ができると期待していました。
しかし、いざ韓国に行くと、思っていることの3,4割程度しか伝えることが出来なく、思い通りにコミュニケーションが取れず、自信を無くしたのと同時に怖気づいてしまいました。さらに初めての一人暮らし、初めての海外長期滞在ということもあり、不安は増すばかりでした。
今回の留学は「語学留学」ではなく、「正規留学」だったため、語学学校(通称:語学堂)には通わず、誠信女子大学校の講義を受講することが「当たり前」とされていました。しかし前期は語学レベルの不足を補うために、語学堂に通いながら大学の講義を受講するという選択をしました。この選択こそ、怖気づいていた私が韓国留学を楽しめるようにしてくれました。語学堂で出会った中国や日本の友人、誠信女子大学校のプログラムで知り合った韓国の友人が私に「母国語でないのだから、初めから完璧に出来なくて当たり前であり、出来ないなりに伝える努力をすることが重要である」ことを教えてくれました。このことに気づいてからは私の韓国語力はどんどん上がっていき、後期には専攻講義を聴講し、現地の学生と一緒に勉強ができるまでになりました。そして韓国の友人も増え、楽しい時間を沢山過ごしましたし、少し踏み込んで日韓についてもお互いの考えを話し合ったりしました。この経験は、日本で韓国について勉強する上で活かされています。
一歩踏み出す勇気
私は留学について漠然と「完璧にこなさなければいけないもの」だと思っていました。しかし実際はそんなことなく、自分のペースで自分の理想に近づいていけばいいのだと、留学を経験して思いました。
私は韓国に友人がいたわけでも韓国語が流暢に話せたわけでもなく、ただ純粋に韓国が好きでその気持ちを原動力に留学をしました。もちろん努力は必要ですが、何よりも「好き」という気持ちをもって留学に挑むことが重要だと私は思います。留学に行くことは決して簡単ではありませんが、「好き」を原動力に一歩踏み出す勇気をぜひ出してみてください。皆さんの留学を応援しています。